
ばんえいオークスは、
1976年に「ばんえい優駿牝馬」として創設され、のちに現在の名称に改められた、 3歳牝馬限定の最高峰重賞 です。
2005年以降は 帯広競馬場 にて開催され、開催時期は11月下旬〜12月 — 日本の“オークス”としては最も遅い時期に行われる点も特徴です。
2025年の第50回大会は、11月30日(日)第11R(20:00予定)で実施されます。
このレースは、3歳牝馬たちにとって“世代女王の座”をかけた重要な一戦。
過去には、3歳牝馬三冠(旧「黒ユリ賞」「ばんえいオークス」「クインカップ」)を制した馬や、重賞戦線をその後も駆け上がった名馬たちが名を連ねています。

目次
【ばんえいオークス】特殊な競馬「ばんえい」
馬が重い鉄製そり(重量は数百kg〜1t超)を引きながら砂コースを歩く競馬で、日本国内では北海道帯広市の 帯広競馬場(ばんえい十勝)でのみ開催されています。
平地競馬(JRA・地方競馬)とは全く異なるルール・コース・戦術が必要で、馬のスピードよりも「力・粘り・気性」が勝敗を左右します。
特徴①そり(重量)を引く力競争
ばんえい競馬最大の特徴は 曳き馬(ひきうま)競争。
そりは「鉄製ソリ+砂鉄」で作られており、レースによって重さが変わる
若駒戦では500〜700kg、重賞・古馬では1t以上になることも
馬は「ばん馬(ばんば)」と呼ばれる大型馬
体重900〜1,200kg以上
ペルシュロンやブルトンなどの血統が中心で非常にパワフル
馬はひたすら走るのではなく、重いソリを引きながら歩く/駆けることで進んでいきます。
特徴②コースは直線のみ、途中に2つの障害(坂)
ばんえい競馬のコースは 全長200mの直線のみ。
その途中に
1つ目の坂(第一障害)
2つ目の坂(第二障害)
があり、この坂を“越える”ことがレース最大のポイントになります。
特に第二障害は大きく、馬のパワー・騎手の判断(溜め)・呼吸合わせが勝敗を左右します。
特徴③騎手(ばんえい騎手)の役割が非常に大きい
ばんえい競馬では平地競馬以上に 騎手(ばんえい騎手)の技術が重要です。
騎手は馬の背ではなく そりの上に立って操縦しながら、ムチを入れつつペース配分を指示します。
騎手が行うこと
スタート直後から「歩くスピード」を調整
障害の手前で止め、力を溜めさせる
坂に入るタイミングを調整
スタミナ切れを防ぐためスローペースにするか、強気に攻めるか判断
この「溜め」と「攻め」のバランスが、ばんえいレースの醍醐味です。
特徴④馬場状態が結果に強く影響
ばんえい競馬では砂の“重さ”がそのままレースの難易度を変えます。
馬場の種類
軽馬場(乾燥):全体のスピードが上がる
重馬場(湿り砂):ソリが沈んで極端に進みにくくなる
氷雪馬場(冬季):特殊な滑りやすい馬場、重量の重さが増すことも
天候(雨・雪・気温)により馬場差が激しく、前日と同じように走れるとは限りません。
特徴⑤全国からファンが訪れる“唯一の競技”
ばんえい競馬は北海道遺産に認定されており、世界でも唯一の存在。
力強い馬の走りと迫力あるそりの動き、観客との距離の近さが魅力です。
コース脇まで数メートルの距離で観戦可能
障害に挑む馬の息遣いを感じられる
ナイター照明での「ばんえいシーズン」は観光客にも人気
【ばんえいオークス】過去の傾向 — データから見る“勝ちパターン”
まず過去の結果から、傾向を整理します:
過去10年の勝ち馬を見ると、1番人気での勝利が多く、安定感があります。
枠順・コースでは、端の「10コース(馬番で10番)」は不利とされるケースがあり、2〜9コースあたりが無難とされることが多いようです。
前走については、同世代のオープン戦(例:旧「黒ユリ賞」や「ばんえい菊花賞」など)から直行する馬が好成績という例もあります。
ただし、必ずしも実績馬だけが勝つわけではなく、馬場状態・展開・重量(ばんえいは「曳き重量」が重要)によっては伏兵の台頭もあります。過去には人気薄の馬が3着に入った例もあります。
このように、「本命馬の信頼度は高いが、大崩れは少ない」「枠順と馬場・重量の条件がカギ」「前走の内容は参考になるが絶対ではない」という特徴が見えてきます。
【ばんえいオークス】注意点・リスク
今年は世代内で力差が比較的大きい可能性。実績馬であっても馬場が荒れる、砂が重たいとなると伏兵の一発があり得る。
枠順・曳き重量・馬場状態(降雨や馬場手入れ状況)を直前までチェック。特に端枠や重たい馬番の馬は、評価を割り引くのが妥当。
当日の出馬表・馬体重・気配を見て、「本命」だとしても過信せず柔軟に買い目を考える。
【ばんえいオークス】第50回2025年11月30日
| 馬名 | クラス | 性齢 | 番組賞金 | 本年賞金 |
|---|---|---|---|---|
| ウンカイマジック | 430万円未満 | 牝3 | 3619 | 1135 |
| キョウエイカスミ | 430万円未満 | 牝3 | 3493 | 861 |
| クリスタルスペリオ | 340万円未満 | 牝3 | 2969 | 1182 |
| サッコ | 430万円未満 | 牝3 | 4138 | 1125 |
| ジェイオージョ | 340万円未満 | 牝3 | 3125 | 928 |
| トマランサーヨウコ | 340万円未満 | 牝3 | 2837 | 735 |
| パワフルクィーン | 430万円未満 | 牝3 | 3535 | 1236 |
| プロサングエ | 430万円未満 | 牝3 | 3567 | 1632 |
| ホクショウサクラ | 430万円未満 | 牝3 | 3457 | 1280 |
| ホクセイヒラリ | 430万円未満 | 牝3 | 3864 | 673 |
注目馬
◎ クリスタルスペリオ
牝馬路線で安定した成績を残してきた実力馬
障害の巧さ・脚の持続力ともに高いレベル
直近のレース内容が非常に良く、成長力がある
ばんえいオークスは「能力上位+障害安定」が最重要
近走のレース運びを見ると“崩れにくいタイプ”で、重賞級の確実性が最も高い存在。
この世代では力が抜けており、素直に本命評価とします。
○ ジェイオージョ
牝馬同士の戦いで強さを見せてきた
障害の対応力が高く、最後まで止まらない
コース適性が高く「勝ち負け争い」に加わる力がある
勝ち切るには一段上の爆発力が課題だが、地力ではクリスタルスペリオに続く2番手評価。
展開ひとつで逆転まである。
▲ ウンカイマジック
ウンカイ系らしいパワー型で、スタミナに優れる
馬場が重くなるほど浮上
大障害(第二障害)での粘りが強く、時計のかかる展開で強い
軽馬場では切れ負けしやすいが、オークスらしい“力勝負”になれば台頭必至の一頭。
波乱の主役にもなれます。
△ ホクセイヒラリ
近走の内容から徐々に力をつけてきている
障害巧者で、止まらずに脚を使えるタイプ
牝馬限定戦では安定感があり侮れない
勝ち切るシーンまではイメージしづらいが、三連系の馬券では必ず抑えたい安定脚質。
☆ パワフルクィーン
勢いのある成績で、上昇気配が強い
牝馬同士であれば馬力も引けを取らない
枠順や馬場がハマれば上位進出が可能
重賞では実績が足りないが、展開や馬場の後押しがあれば“激走候補”。
特に湿った重馬場なら評価を上げたい一頭です。
その他出走馬の簡易評価
キョウエイカスミ
→末脚はあるが障害に課題。相手まで。
サッコ
→力はあるがムラがあり、軸にはしづらい。
トマランサーヨウコ
→名前と違って前進力はあるが重賞ではやや力不足。
プロサングエ
→パワーはあるが決め手が弱く、展開頼み。
ホクショウサクラ
→成長待ちの段階。今回は経験値不足か。
まとめ
今年のばんえいオークスはクリスタルスペリオ vs ジェイオージョの2強構図と見ています。
そこに
パワー型のウンカイマジック
安定派のホクセイヒラリ
勢いのパワフルクィーン
が絡んでくる形。
本命傾向の強いレースですが、馬場が重くなれば一気に波乱レースへ変貌するので、当日の馬場状態は必ず確認したいところです。
結果
払戻
【ばんえいオークス】口コミ投稿する
【ばんえいオークス】みんなの口コミ
渋い記事あるね
ばんえいは案外人気順で固いイメージだ
障害と同じく手を出してないけど


